日ごろから積極的に運動している方の中でも、シンスプリントという症状をご存じない方も多いかもしれません。シンスプリントは陸上をしている中高生に、とても多い症状のひとつです。些細な痛みからはじまり、ひどくなると身体を動かすたびに痛みが強くなります。さらに痛みを放置していますと、疲労骨折を起こす可能性もある大変危険な疾患です。そこで今回は、シンスプリントとはどのような症状なのかについてご説明します。
中高生に多い「シンスプリント」とは?
シンスプリントは、陸上競技などの足を使う機会が多いスポーツをする方が多く発症する症状です。過労性脛部痛、脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれます。
シンスプリントはスネの骨(内側)の痛み
シンスプリントとは主に、すねの内側が痛くなってしまう障害のことです。「シンス」とはすねを意味します。すねの内側に疼くような鈍い痛みや、骨を圧迫するような痛みが起こります。
スポーツによって引き起こされる
陸上ランナーの方に多い症状として広く紹介されていますが、サッカーやバスケットボールなども走行距離が多く足を痛めやすい競技です。こういった競技の方にもシンスプリントが起こりやすいといえます。また運動をはじめたばかりの中高生にも多くみられます。
こんな症状はシンスプリントかも?
次のようなチック症状が当てはまる方は、シンスプリントかもしれません。当てはまるものが多ければ多いほど、シンスプリントである可能性が高いといえます。
- 陸上競技やサッカー、バスケットボールなどのスポーツをしている
- スネ周辺が痛む
- とくにスネの内側、ふくらはぎが痛い
- スネ周辺に骨のきしむような痛みがある
- 動かすほど痛くなる
とくにスポーツをはじめたての中高生は、自分の身体の状態や適した運動量がまだわかっていないため、オーバーユースを招いて体を痛めてしまう可能性があります。またこの時期は身体の成長段階であるため、運動に体がついていけないことが原因で、シンスプリントになってしまう場合もあるのです。長距離陸上をする人の約20%から50%に発生する、身近な症状ともいえます。
シンスプリントの原因
ここからはシンスプリントの主な原因についてご紹介します。
足の筋肉の使いすぎが根本原因
シンスプリントになってしまう原因の多くは、足の筋肉の使いすぎです。体の状態に見合っていない運動量をこなしてしまい、姿勢やフォームがよくない状態で運動を続けてしまいますと、常に足への負担がかかってしまいます。
骨膜が炎症を起こしている状態
足の使いすぎというと「筋肉だけが痛みだす」と思いがちですが、シンスプリントは骨の付近に痛みを感じるのが特徴です。しかしこれも骨に負担がかかっているというわけではなく、筋肉と骨とをつなぐ骨膜に負担がかかっていることが原因としてあげられます。常に筋肉を使い骨膜が引っ張られることにより、炎症が起こってしまうのです。
放置すると大変なことに……
はじめは些細な痛みで放っておくと治るため軽くみてしまいがちですが、骨膜が引っ張られ続け症状が慢性化しますと、痛みがなかなか引かなくなります。この状態を放置していますと、やがては疲労骨折へと発展してしまいます。
骨折してしまえば骨がつながるまでの間運動はできず、体を動かさなかった期間のリハビリはとても長く感じることでしょう。
シンスプリントの治療方法は?
オーバーユースをやめる
シンスプリントの改善に最も効果的なのは、オーバーユースを止めることです。スポーツをしているとついつい練習に力が入り過ぎてしまいますが、しっかりと体を休ませるのもトレーニングのうちと考えましょう。またそのときの体身体の調子によって適切な運動量は変わりますので、普段から自分の身体の調子を把握しておくことも必要です。
カイロプラクティックを受ける
シンスプリントの治療方法には、カイロプラクティックという選択肢もあります。カイロプラクティックは身体の歪みやズレを整えることによって、身体が本来もっている自然治癒力を高める効果があります。身体が丈夫になりますので、故障しにくい体作りにもなるのです。外国のアスリートの中には、積極的にカイロプラクティックを取り入れている方も多くいます。
治療方法としてカイロプラクティックを受けるだけでなく、身体のメンテナンスや故障しにくい身体作りとしてカイロプラクティックを受けるという方法もあるのです。
姿勢やフォームの改善
シンスプリントをしてしまった箇所を治療によって完治させたとしても、姿勢やフォームが悪ければまた同じような怪我をしてしまいます。再発防止の意味も兼ねて、姿勢やフォームの改善に取り組むことも必要になるでしょう。
まとめ
今回はシンスプリントについてご説明しました。シンスプリントの大きな原因はオーバーユースによるものです。陸上競技をしていて、運動をはじめたての中高生に多い症状として知られています。今回ご紹介させたチェック項目に思い当たるという方はシンスプリントの可能性を考え、専門家へのご相談を視野に入れましょう。
「前田鍼灸接骨院」では、シンスプリントの治療を行っております。足や膝の痛みが気になる方は、ぜひ一度当院にご相談ください。